先日、TIGAとDMCのコラボダーツが各社から2タイプ発売されました。

L:45.0mm/W:16.7g/MD:7.2mm ¥24.800-

L:43.0mm/W:16.5g/MD:7.4mm ¥24.800-
『Acute』と『Fusion』とは
DMCは『Acute』といわれる、胴体から一体となってネジ山を4BAサイズに削出し、チップは逆ネジ4BAサイズを採用したもの。重心位置を比較的前方に持ってくることや、先端を細く削りダーツのグルーピング時に優位なデザインにすることを可能にしました。
一方、TIGAの『Fusion』はチタンとタングステンを融合させ、今までの常識を超えた重心設計を可能にしました。またチタン部分はカラフルなコーティングを施し、目を奪われるようなバレルデザインとなっています。
この二つの技術を掛け合わせ完成したバレル、『PLS』と『X12』。両社の技術を互いに掛け合わせ完成したこの2つのバレルは、全く性格の異なったバレルとなって登場しました。
今回は、その2つのバレルを紹介したいと思います。
DMC Acute×Fusion 『PLS』

チタンとタングステンの割合が、目測ですがバレル全長に対して5:5の配分。形状はやや後方に最大径を持ってきており、そこからチップに向かって細くなっております。トータルバランスは全長のほぼ中央。

ネーミングの『PLS』はPaul・Lim・Specialという意味。DMCから発売中のPaul Limモデルに、グリッピングポイント(後方の括れ部分)を明確に設けてある感じ。カットは後方に細かいシャークカットが施され、割としっかりかかります。
TIGA Fusion×Acute 『X12』

こちらのチタンとタングステンの割合は目測でバレル全長に対して6:4。そして最大径7.4mmの数値をかなりバレル前方に配置してます。さらにAcuteを採用しているため、チップホールのための掘り返しがありません。
そのため、今まで見てきたバレルの中でも類を見ない程の『超前重心』のバレルとなっております。

PC以外では見にくいかもしれませんが、2つのバレルの比較をまとめました。このようになります。
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DMC 『PLS』 |
TIGA 『X12』 |
素材 (左がチタン)
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5:5 |
6:4 |
最大径の位置 |
やや後方 |
前方 |
バランス (セッティング時)
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ほぼバレルのセンター |
かなりバレルの前方 |
『PLS』を投げてみて
どちらのバレルも、まず手に取ったとき、無意識に既存のバレルと比較してしまうためか、前方に重みを感じます。これぞ「Fusion効果」でしょう。飛ばしてみた感じですが、不思議なことに『PLS』の方は全く違和感なし。前が重いという感じもなく普通に飛んでいきます。
後方の括れは思ったよりスポットが広く、グリップが多少前後しても違和感なし。前方が細めなので中指・薬指辺りの抜けが良く投げやすい印象でした。
前重心にこだわったというよりは、『Acute』による前方を細めに削ったデザインを強調したバレルという感じを受けました。
『X12』を投げてみて
『X12』の方ですが、構えた時、前方が重いので普通にグリップすると矢先が少し下がる感じがします。かなり前方位置に重心があるためそれを感じやすかったです。
投げるとこちらは凄まじい飛び方をしました。投げ始めは矢先のコントロールに戸惑いましたが、バランスに慣れてくると矢が伸びるように飛んでいき、失速することなくボードに届いてくれる感覚です。グリッピングポイントは特に明確なポイントはなく人を選ばない感じですが、後ろ目を持つと飛ばすときのバランス維持が少々難しいかもしれません。
飛ばし方に若干慣れが必要ですが、慣れると「スコーンッ」という飛びが比較的楽に作り出せるのでヤミツキになるかも。より攻撃的に直線的に狙いたい人に是非使って欲しいと思います。
当店で試し投げが出来ます!
それぞれのメーカーの誇る技術をプレゼンテーションするかのように完成した2つのバレル。どちらもその性質が最大限引き出された個性あるバレルだと思います。価格は若干高めですが、それなりの価値はありそうです。
ごく普通に”投げやすい”という感覚を求める方には『PLS』。とにかく飛びを鋭く直線的に投げたいという方には『X12』をおすすめしたいと思います。
SHOPに試投用のバレルがありますので、ご来店いただいたみなさんに是非とも体感して下さい!